aloewine’s diary

It's never been too late for updating your value. Drink wine, enjoy eating and speak up to wake the others up! ありんこのジタバタ、ごまめの歯ぎしり。でも黙っているより私らしい!

女性におすすめ??????

ワインを選んでいる時どこのショップでも必ず言われる言葉

飲みやすくて女性におすすめです!

それは嬉しい!美味しそうなワインを選んでもらえてよかった!と思う人もいるでしょう、もちろん。

でもこれつまり

フレッシュでフルーツ感も生き生きした親しみやすいワインで、普段あまりワインを飲まれない方にも好評ですよ!

と同義ですよね。普段ワインを飲みつけていない女性の方なら「うん私にぴったり」となるでしょう。でもね、私もこれ言われるんです。ソムリエがそれ言われたらそりゃ苦笑するよねって話ではなくて、飲食業界に入る前から思ってました。

女だって酒もワインも大好き人間がいることご存知ですか

と。女性=酒に弱い、ワインにも詳しくない/男性=酒に強い、ワインに詳しいという無意識の方程式が頭の中にあるので後者をいうより簡単な前者のセリフを喋ってしまうのでしょう。

でも違いますよね。酒に強い女性もいれば酒に弱い男性もいます。性別関係ありません。

そう

性別で判断するのやめませんか

私は男性とレストランに行ってもワインリストを率先して見ますし、連れの男性がカンパリオレンジでも生ビール飲みます。そんなことに目くじら立てられてた時代からまだ10年も経っていないけど、今や「男性より強い酒を女性が飲むなんて」というのを例えばCMで流したら大バッシングでしょう(男女の連れでアルコール飲料1ノンアル1とかの注文の時もちゃんとどちらがどちらを飲むのか聞いてから出しましょうね)

女性におすすめ、は時として不愉快です

少なくとも私はワインショップでそう言われるたび、私のことを知りもしないのに性別だけでカテゴライズして安易なおすすめするのやめてくれませんか、と思っています。飲食店やワインショップはお客様との瞬間的な接触が多いですから、相手の人となりをすぐに判別するのはベテランでも不可能でしょう。実際ソムリエを初心者扱いして懇切丁寧に「飲みやすい」「初心者向け」「女性にもおすすめ」「クセがない」と説明してくれる店員さんのなんと多いことか。

性別は忘れて基本に戻って

例えばワインショップなら「普段からワインを飲んでいるのか」「どんなワインが好きか」「どんな料理と合わせる予定なのか」「誰と飲むのか」そういうところから普通に好みを探っておすすめすればいい話。確かに大きなカテゴリーでまとめてざっくりキャッチーにおすすめするのは楽だし便利ですが、相手のことを何も知らないのにそれをやるのは非常に危険。だって不快になったお客は(あーあ、またこのパターンか)とその「店」自体にがっかりして帰っていく。親切に認識のズレを解いてくれる人なんていません。

的確なおすすめを聞き出したいときは

お客さんの立場になる方で「スッキリしていて軽めの口当たり、生き生きした果実味の若々しいワイン」を飲みたい方は「女性におすすめ」ロボットにそのまま喋らせてOK。合わせたい料理があったり自分や一緒に飲む人が上記のようなワインを好まない場合は「そういうのじゃないのがいいです」と言えばロボットは自分が人間であることを思い出して人語を操りあなたにぴったりなワインを教えてくれるでしょう。

もちろん、うるさい自分が飲むものくらい自分で選ぶんじゃ、という方は「自分で選べるので結構です」と追い払えばいいと思います(店員の皆さん、ここで情報を補足する必要はありません。一人で狩を楽しませてください)。

女性におすすめ、と言いかけたら立ち止まってほしい

今まで特に意識せず使ってきた言葉やフレーズをいきなり使用禁止するのは結構大変。でも意識するだけでも減らせます。女性におすすめ、と言いそうになったら別の言い方で自分の言いたいことを組み立てて伝えましょう。きっとサービスマンやセールスマンとしてのあなたのスキルや魅力もアップしますから。

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あなたが話しかけているのはタイガーかもしれない