私が声をあげようと思った理由
SNSでは女は愛想笑いをしない
ヤれる女子大生ランキング、三越のパイ投げ広告、LOFTがバレンタインデーにコア顧客層を怒り狂わせたいがみあう女子達のCM、最近ではママ語翻訳なんていうバウリンガルをグリコが出しました。溢れるミソジニー。これが炎上する、つまり女性が発言の場を持ち始めたのはとてもいいこと。上のフレーズはtwitterで呟かれたものですがその通りだと思います。
社会では女性は往々にして下の立場。職場で自分の意見を表明したら容易く椅子を失い次の就職先だってままならない。だから不愉快なことがあっても愛想笑いをして流すことしかできなかった。悲しいかな、この長年の経験から女性たちは「スマートに受け流すことこそ大人の女性の望ましい態度」と人生の後輩たちに説いてきました。私も数年前までそう思っていた1人。
でもSNSの発達と浸透で、女性たちは安全に自分の声を発信し共感の声を上げることができるようになってきました。嫌なことは嫌。間違っていることには間違っていると言えるようになってきた。アメリカのme too運動から国内でも色んな声が上がり始めて、私も何か関与したいと考えました。
それでも私は尻込みしてた
ヤれる女子大生ランキングに抗議の声をあげて署名を集めた大学生たちの勇気と行動力は素晴らしかった。でも私は署名するのも結構ためらった。
両親は悲しいことにシーラカンスの仲間。政治的な話が食卓に上がることもなかったしむしろタブーだった。選挙で誰に投票したのと幼い頃に聞いて母親に怒られた思い出もある。
だから高校で世界史を学び大学で法律を学んでもパブリックに発信したり政治思想を持とうとは思わなかった。今も政治については不勉強で政治的立場を語る頭はない。
でもそれじゃ最悪のヘアカットと同じ!
これ「キューティー・ブロンド2 ハッピー・マックス」の中で主人公がアメリカ両院を前にスピーチするシーンのセリフ。
憧れの美容院に行ったらカラーもトリートメントも最悪、しまいにはおかっぱ頭にされてもうサイテーだったという思い出話に続いたのが下のセリフです。
(以下映画のセリフより抜粋)
First I was angry. And then I realized my anger was completely mis-directed. I mean, this wasn’t the salon’s fault. I had sat there and witnessed this injustice, and I had just let it happen. I didn’t get involved in the process. I forgot to use my voice. I forgot, to believe in myself. But now I know better. I know that one honest voice can be louder than a crowd. I know that, if we lose our voice, or if we let those who speak on our behalf compromise our voice, well then this country, this country is in for a really bad haircut.
間違っていたのは美容院じゃなく、間違いを眺めていながら途中で意見を言わなかった自分。自分を信じず、声をあげなかった自分。でも今は、1人の正しい声が群衆の声をかき消せることを知ってる。もし私たちが声をあげず人任せにして妥協したら、この国は最悪なヘアカットと同じ。
So, Speak UP, girls!
レイプに抵抗しなければ合意があったと見なされて不起訴相当、レイプに抵抗すれば死体にされ、告発すれば誹謗中傷される国、日本。「そういうことは上手くやらなきゃダメだ」なんて趣旨の発言を政治家がカメラの前で平気で言う国、日本。
この国はあまりにも女性を客体化しすぎてる。ロリ、女子高生、女子大生、結婚すれば妻、嫁、子供ができたらそこから一生”ママ”!名前をつけたフレームでくくって一緒くたに語られるのはもううんざり。
女性である前に我々は人間!
この認識が変わっていかない限り我々の置かれている状況も良くならないし、これからこの世界を生きていく人たちがあまりにも不憫。そしてシーラカンスだらけの世界を変えていくのに私のようなさしたる社会的地位も発言力もない人間ができるのは、自分の見える範囲に対してだけでもいいから声を上げること。
ごまめの歯ぎしり、実に結構。黙っているより私は胸を張れる。たくさんのごまめが歯ぎしりしたら波くらい起こせるかもしれない。小さい魚は数が多いのだ。
だから私は「目を覚ませ飲食店スタッフ!」と叫ぶことにした
出勤してから12時間で家に帰れるのも稀なこの業界、同じ建物の中で同じスタッフと、家族より長い時間過ごしています。だから自然と視野も狭くなりがち。時間がないもの。家に帰ったら何か食べて風呂に入って寝るので精一杯。でもそれじゃあ、めまぐるしく変化していく世界についていけない。
価値観はどんどん変わっています。我々はそれに追いついて価値観を毎日アップデートしていかなければ。全てはお客様にハッピーになってもらうために。そして自分自身をどんどんアップグレードしていくために。
怖がらないで。私は戦争をしたいわけじゃない
この手の話に抵抗感がある人は、こういう価値観に触れるだけでも触れてみて欲しい。別に私は特定の個人やジェンダーを非難したいわけじゃない。女の敵は女じゃないし、男でもない。こう言う議論の場には必ず、自分を守るためにこちらに銃を向けてくる人がいる。でも本当にその銃口はこちらに向けるもの?同じ方向に向けて一緒に戦っていくべきものじゃない?
私たちはフレームで括られた者同士で戦争したいわけじゃない。ただ、いま生きづらいと感じている人が生きやすい世界に近づけたいだけ。
読んで、調べて、理解を深めて、共感したらシェアして。それだけでも素敵なことだと思う。
一人一人が少しずつでも互いの思いを理解して歩み寄っていくことで色んなことが良い方向に変わっていくはずなのだ。